不正受給を許さない!“生活保護Gメン”が活躍
全国で生活保護を受けている家庭が、過去最多水準で推移している。その数は163万2321世帯(昨年10月時点)。収入を得られない高齢者世帯の増加が要因に挙げられるというが、一方で不正受給を企てる者も後を絶たない。関東のある自治体では不正防止を目的とする専門職員が活躍している。人呼んで生活保護Gメン。
弱者救済の制度は必要であるが、たかりのような輩は許されるべきではない。
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不正受給を許さない! “生活保護Gメン”悪質事例を暴く 車所持、ネットで収益… (1/2ページ) – 政治・社会 – ZAKZAK
http://www.zakzak.co.jp/society/domestic/news/20160302/dms1603021140004-n1.htm
全国で生活保護を受けている家庭が、過去最多水準で推移している。厚生労働省が1月に発表した調査によると、その数たるや実に163万2321世帯(昨年10月時点)にものぼる。収入を得られない高齢者世帯の増加が要因に挙げられるというが、一方で不正受給を企てる者も後を絶たない。関東地方のある自治体ではそれらの不正防止を目的とする専門職員が活躍している。人呼んで生活保護Gメン。彼らが目にした、その実例を公開する。
「不正受給を放置しておくとまっとうな生活保護受給者に対しても偏見が生まれる」
そう語気を強めるのは、関東にある某市の市役所職員だ。市では不正受給者に対する市民からの通報が相次いだことから、2008年から専門職員を配置している。
「不正が疑われるのは通報のほか、ケースワーカーによる発見もある。『働けない』あるいは『生活できる収入が得られない』ということで生活保護を受給しているのに、日中は不在がちである場合、十分な稼ぎを得ながら生活保護を受け取っている可能性がある」
家族構成や年齢などによって異なるが、1人世帯を例に挙げれば、家賃を含め支給額は月々13万~14万円程度。いうまでもなく元出は税金だ。
某市の専門職員2人はいずれも元警察官で、不正の疑いが濃いと判断されれば調査に移る。ときには数カ月にわたって、早朝から深夜まで対象者の行動確認を行うなど、その作業は捜査員そのものだ。手の込んだ不正受給には次のようなケースがあったという。
30代前半の単身者の男性はケガをして働けないとして生活保護を申請した。だが、治った後も働きだそうとしない。
「ケースワーカーが家庭訪問しても不在がちのため、調査したところ、身ぎれいな格好をし、車に乗ってさまざまな場所に立ち寄っていた。追跡の末たどり着いたアパートには女性までいた」
複数の立ち寄り先では駐車場まで借りていた。もはや仕事をしていないはずがない。
「日雇い労働者が不正受給を行っているような場合は、働いている現場を押さえれば済む。だが、この男性は何をやっているか見当がつかない。そこで金融機関を調査すると、本人が代表を務める会社の口座に行き当たった。入金履歴にはインターネットの広告会社らしき、業者の名前がいくつかある。どうやら生活保護を受給しながら、ネットで収益をあげていたようなのだ」
職員はお金のやりとりをした相手を教えるよう迫ったが、男性は「友達から金を借りただけ」などと言い訳し、応じない。このため「指示違反」によって支給は停止された。調査を開始してから、不正を行っていると結論づけるまで、実に3カ月を要した。
年間で、調査対象となるのは約30件。うち、不正が明らかになったり、調査が入っていることに気づいて市役所にこなくなり、結果的に支給停止になるケースは、例年約10件ほどあるという。
近畿大学法学部教授で社会保障法が専門の衣笠葉子氏は「不正受給に対して抑止効果が生まれることが、生活保護Gメンの活動の一番の狙いだろう。現在はケースワーカーの数が足りず、不正をすべてみつけることは難しい。Gメンのような専門職に悪質なケースの調査を任せるのは有効な方法だ」と話す。
不正受給防止に向けた同様の取り組みは他の自治体でも始まっている。もらい得は許されない。
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