(ニュースから)産経新聞が「幸福の科学」の広報紙に? 大量広告、関係者の連載、露骨なヨイショ記事

産経新聞が「幸福の科学」の広報紙に? 大量広告、関係者の連載、露骨なヨイショ記事…  – ライブドアニュース
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 朝日や毎日など、元気のないリベラル系新聞とは対照的に、やたら勢いのあるのが右派の産経新聞。安倍首相の一番のお気に入りと言われるだけあって、紙面には露骨な官邸のリークが踊り、「もの言う新聞」のキャッチフレーズ通り、安倍首相の天敵である民主党や朝日新聞、韓国に中国の批判がこれでもかとばかりに掲載されている。

 全国紙の中ではもっとも低く見られていた同紙が、右傾化の風潮のなかでどんどん存在感を増している、ということだろうか。だとすると、さぞかし部数も……と思いきや、売れ行きのほうはまったくそんなことはないらしい。

「産経新聞の売れ行きはむしろ、年々下がっているようで。しかも、広告がなかなか入らない。相当なダンピングもしているようですし、あやしげな団体や自費出版本など、相手を選ばずに片っ端から広告を掲載している有様。広告審査基準があるのか、と陰口を叩かれているほど。経営は相当に苦しいようです」(全国紙・広告担当社員)

 そんな産経新聞にとって、文字通り救いの神になっているのが、宗教団体「幸福の科学」だ。実は、年間を通じて、産経新聞は「幸福の科学」関連の広告を大量に掲載しているのだ。

 一番多いのが、傘下の出版社である幸福の科学出版の書籍広告だ。周知のように同社では大川隆法の「霊言集」はじめ、相当な数の書籍を出版。そのたびに書籍広告を各新聞に出稿しているのだが、掲載回数は産経新聞がダントツなのだ。
 
 たとえば、今年の1月から2月中旬までの間だけとっても、1月9日に大川隆法の『智慧の法』の全5段広告、1月18日には女優・武井咲の霊言本などの全5段広告、2月7日には俳優・香川照之の霊言本などの全5段広告、2月15日に大川の著作『国際政治を見る眼』全5段広告など、5回以上の広告が掲載されている。
 
 2014年の1年間をカウントしてみると、その広告の掲載回数はなんと30回以上。なかには、11月16日付紙面に掲載された『安倍総理 守護霊の弁明』のように全面広告のケースもある。

 しかも、これに加えて、幸福の科学を母体とする幸福実現党の広告等も掲載されており、ほぼ10日に1回は幸福の科学関連の広告が掲載されている状態だ。

 あまりの多さに昨年6月に開かれたフジサンケイグループの持ち株会社・フジ・メディア・ホールディングスの株主総会では、株主から「産経新聞に『幸福の科学』の広告が多すぎるのではないか」との指摘さえあったという。

「幸福の科学は新聞広告につきもののダンピングもほとんどせずに、ほぼ正価で出稿しているという話です。出稿金額は、おそらく年間で1億円近くなるでしょう。産経にとっては、どんな批判を受けようが、この金は手放すことはできませんよ」(産経新聞関係者)

 実際、広告を断るどころの話ではない。産経は広告ほしさゆえか、通常の報道・編集紙面でも「幸福の科学」のPR情報を率先して記事にしているのだ。

 例えば、14年9月17日付の紙面では「幸福の科学大学」が取り上げられている。

 記事では幸福の科学学園副理事長がインタビューに応じ、「(教授陣)は新興に関係なく熱意のある方に着任していただく予定です」「入試の際に幸福の科学の信者でないから不利になる、あるいは入学後に入信させるようなことはありません。入学する学生は、社会のリーダーになるための精神、使命感、知識を養ってほしい」とアピール。どう見てもPRとしか思えない記事だ。

 そもそも、同大学はこの時期、文科省で設置認可の審査を受けている最中だった。しかも、カリキュラム等に問題が多いとして認可がおりず、計画は頓挫している。そんな段階の大学を全国紙が取り上げること自体がちょっとありえないだろう。

 さらに、もうひとつ不可解なことがある。この産経の「幸福の科学大学」の記事は、2014年8月20日から始まった「2015 新設予定の大学ウォッチ」という連載の2回目という形をとっていたのだが、同大学が紹介された後に連載そのものがなくなっているのだ。

「いきなり幸福の科学大学だけを取り上げるのは露骨すぎるので、連載という形にしたんですかね。1回目は別の大学を取り上げて、2回目に、と。連載がなくなったというのも、幸福の科学大学を取り上げた後は用がなくなった、ということなのかもしれません」(新聞業界関係者)

 一応、全国紙である産経がここまでやるか、という感じだが、これが系列の「夕刊フジ」となると、もっと凄い。幸福実現党党首の釈量子に「いざ! 幸福維新」などという連載を持たせたり、「幸福の科学出版」の出版パーティをニュースとして”報道”する記事、さらには大川総裁が韓国の朴大統領の守護霊からインタビューした本を、ニュース記事として取り上げているのだ。

 これで、朝日新聞に対して「偏向」などとよく批判ができるな、と思うが、もはや産経には、なりふりかまっている余裕なんてない、ということだろう。

「それこそ、このままいったら、身売りもありえますよ。もしかしたら、幸福の科学が産経を買収するなんてことがあるかもしれない。まあ、これは冗談ですが(笑)」(新聞業界関係者)

 いや、これは冗談ではない。我々はヘイトスピーチや歴史修正主義の広がりを見て、つい右派メディアが経済的にも儲かっていると思いがちだが、実際は、ネトウヨのほとんどは活字を読まない。唯一の収入源だった嫌韓本もここにきて売れ行きに翳りが見え始めた。

 実際、産経だけでなく嫌韓本を大量に出版している某出版社も、幸福の科学から相当な財政支援を受けているという情報もある。こうした状況を見ていると、幸福の科学がすべての右派メディアを牛耳り、大川総裁がメディア王として君臨する、そんな恐ろしい未来図をつい想像してしまうのだが……。

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