(ニュースから)外国人実習生、岐阜県内の失踪急増、ブローカーが高賃金勧誘か
◆14年73人、最多ペース
県内(岐阜)の事業所で働く外国人技能実習生の失踪が急増していることが、県警への取材で分かった。2013年の行方不明者は109人で、12年の32人の3・4倍に増え、県警が調査を始めた09年以降で最多だった。今年も9月末時点で73人と、昨年とほぼ同じペースで推移する。ブローカーから高賃金で誘われた仕事に移るほか、劣悪な労働環境を苦に逃げ出すケースもあるが、受け入れ団体は「急増の原因はよく分からない」と困惑している。
今年、失踪した73人の国籍は、中国が63人と大半を占め、ミャンマー5人、ベトナム4人、フィリピン1人。
岐阜市にある受け入れ団体の男性理事(44)は今年、派遣先の各務原市の縫製会社から失踪した中国人女性=当時(31)=を茨城県内で保護した。昼は食堂、夜は性風俗店で働いていた。実習期間の最終年となる3年目で、「日本に来る前から知人と話ができていた」と話したという。
別の受け入れ団体の男性理事(64)は、ブローカーの動きが活発化していると指摘。また失踪経験のある元実習生と来日前からインターネットや携帯電話で情報交換している可能性があるという。国際研修協力機構の指導で、事業所は実習生の旅券や預金通帳を預からなくなったため、「逃げられる環境にある」と話す。
法務省の統計によると、今年6月末時点の全国の実習生は約16万2千人。うち県内は約1万人で、愛知県の約1万8千人に次いで多い。名古屋入国管理局によると、技能実習生の在留資格で入国した外国人が、失踪して実習先以外で働くことは不法就労にあたる。在留期間を超えて国内にとどまれば、不法残留となる。
失踪した実習生が犯罪に関わるケースも出ている。県警は10月末、資材置き場からトラクターを盗んだとして、ベトナム国籍の男6人を逮捕した。6人のうち5人が元実習生と元研修生。昨年10月から県内でトラクターが盗まれる被害が約50件発生しており、ベトナムに運んでいたとみて関連を調べている。
外国人実習生、失踪急増 県内、ブローカーが高賃金勧誘か - 岐阜新聞 Web
http://www.gifu-np.co.jp/news/kennai/20141104/201411040925_23650.shtml