(ニュースから)【九州から原発が消えてよいのか? 第8部(5)】菅元首相の大失策、欠陥まみれ買い取り制度 詐欺まがい 太陽光トラブル噴出
太陽光発電の急成長に伴うトラブルばかりでなく、もともとFIT(固定価格買い取り制度)は制度自体に大きな矛盾をはらむ。
一番は原発が停止する中での電力需給の不安解消にまったく役立たないことだ。
太陽光の総出力が全国の2割を占める九州であっても、昨夏の発電量は最大60万キロワットだった。需要1600万~1700万キロワットの3%でしかない。この数値は、晴天の正午前後4時間の「瞬間」発電量であり、夜間や雨天はほぼゼロだ。需要に応じた発電など夢のまた夢というほかない。
全国の原発が停止したまま迎える今夏も、太陽光発電の発電量は昨年並みだ。
さらに、FITの認定を受けながら、事業を始めない業者も多い。
実際、経産省が認定した全国の太陽光発電の総出力は3904万キロワット(今年2月末)だが、稼働しているのは3分の1に過ぎない。
慌てた経産省は今年2月、事業に進展がみられない672件の調査に乗り出した。土地を買って認定を受けた後、権利を第三者に転売する事業者の多いことがわかった。経産省は6月末までに144件の認定を取り消した。
経産省による認定の甘さが浮き彫りとなった形だが、認定された設備が稼働すれば、今度は家庭や企業の負担が急増する。
電力中央研究所(電中研)の試算によると、FITの認定を受けた再生可能エネルギーの設備がすべて稼働した場合、各家庭への電気料金の上乗せ額が現在の3倍に膨らみ、年間1・9兆円になるという。この結果、標準家庭の電気料金は1割上昇する。
原発停止に伴い、LNGなど燃料費の増加が3・6兆円。その半分程度もの巨額な費用が電気利用者の負担となり、しかも電力不安にはほとんど寄与しない。
震災後のドタバタの中で、「再生可能エネルギー普及」という一見高邁な理想を掲げ、欠陥だらけのFITを実行した民主党の菅政権の罪は重い。
先の電中研の試算によると、この先20年間でFITによる国民負担は総額38兆円に上る。
【九州から原発が消えてよいのか? 第8部(5)】菅元首相の大失策、欠陥まみれ買い取り制度 詐欺まがい 太陽光トラブル噴出+(4/6ページ) – MSN産経ニュース
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