(ニュースから)米国をめぐる韓日の外交戦、韓国が負ける?
【コラム】米国をめぐる韓日の外交戦、勝敗は明らかだ
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2015/03/14/2015031400972.html
過去1年間、日本はワシントンを舞台に巨額資金を投じロビー活動
連邦議会での安倍首相の演説まで推進
韓国の予算額は日本の1財団にも及ばず戦略もなし
「ワシントンで菊の香りが強くなった」。少し前、米国ワシントンを訪れた学者に、韓日の歴史問題をめぐる米国の官・民の雰囲気を尋ねたところ、こんな答えが返ってきた。菊は日本の「国花」だ。米国内の親日派・知日派を「菊クラブ」または「菊派」と呼ぶ。菊の香りが強まったということは、日本の存在感が大きくなったという意味だ。
韓国と日本は、2014年だけ見ても、ワシントンで両国間の歴史問題をめぐり激しい外交戦を繰り広げた。政府や国会関係者、民間の専門家らを競ってワシントンに派遣した。米国は、韓国と日本を動かせる力を持つ、事実上唯一の国だ。この米国を自国に有利な側に向けようという戦いの主な舞台となったのが、ワシントンだった。
米国はこれまで、厳格に中立を守ってきた。外から見ると、勝負の重りは韓日どちらにも容易には傾きそうにない。米国政府だけでなく、学界やシンクタンクの関係者までも、中立的態度を示している状態だ。
それでも韓国内部には、ワシントンの戦いの最終的な勝者は当然韓国だろうと、鉄のように信じる雰囲気がある。日本は米国と戦争した国で、韓国は日本の侵略と収奪に苦しんできた被害者だ。この歴史的事実を理解している米国が、被害者・韓国をのけ者にして加害者・日本の手を取るはずがない、というわけだ。これが、過去1年にわたり韓国を支配してきた国民感情だった。
しかしワシントンの状況は、韓国人の期待とは正反対の方向に流れつつある。過去1年余りにわたり、日本は、それまでできなかったタブーを一つ、二つと破り、立地を広げてきた。その代表例が、米国連邦議会に「ジャパン・コーカス(親日議員連盟)」ができたことだ。日本は常に、米国議会に親日議連ができることを願ってきたが、太平洋戦争を挑発した歴史が原因で、容易には実現しなかった。03年と07年に、米国連邦議会下院および上院で相次いで「コリア・コーカス」が誕生するのを見守るしかなかった。しかし「ジャパン・コーカス」には、発足からわずか1年で68人が名を連ねた。「コリア・コーカス」に属する下院議員は63人だ。
日本のワシントン攻勢は、これだけにとどまらない。オバマ政権で国家情報長官(DNI)を務めたデニス・ブレア元海軍大将は昨年5月、笹川平和財団のワシントン代表に就任した。DNIは、米国政府内に16ある情報機関をまとめ、大統領に報告される全ての情報をコントロールする責任者だ。そのような人物が、日本のロビイストに変身したのだ。ブレア元海軍大将は今年初め、韓国が日本の歴史を問題にしていることをめぐって「日本は過去にひどいことをしたが、韓国もベトナム戦争当時、極めて無慈悲だった」とためらうことなく妄言を発した。
同財団を設立した笹川良一氏は、A級戦犯容疑で裁判を受けた元事業家だ。笹川財団の米国関連予算は、78億ウォン(約8億4600万円)に達する。また日本の外務省は、国の広報などに使われる広報文化予算として、昨年の3倍に上る520億円を策定した。韓国の対米広報文化予算は10億ウォン(約1億900万円)にすぎない。笹川財団の7分の1というレベルだ。米国は、俗に言う「カネがものを言う(money talks)国」だ。米国議会の補佐官陣の中で代表的なアジア通に挙げられる人物が、最近相次いで笹川財団などにポストを移した理由も、こうした事情と無関係ではないだろう。最近テロに遭ったリッパート駐韓米国大使も、まさに議会補佐官出身だ。
日本は、安倍首相が米国を訪問する4月末より前に、環太平洋パートナーシップ協定(TPP)と日米安保ガイドライン改正作業を終えたいという立場だ。この二つの協定は、経済と安全保障、両分野で米日関係を一層堅固なものにする。安倍政権は、歴史問題での挑発を行いつつも、米国が望むことは徹底して聞き入れるというやり方で米国の不満を鎮めてきた。安倍首相が推進する米国議会での演説も、実現する可能性が高いという。そうなれば、米国議会で演説した初の日本の首相として記録される(原文ママ)。韓国の立場からすれば、歴史問題をめぐり最も退行的で、挑発を繰り返してきた安倍首相が、日本の新たな歴史を書く主人公になることを意味する。
これに対し韓国の対米外交は、これまで奔走してはきたが、足踏み状態から抜け出せずにいる。最近ソウルを訪れた米国のシンクタンクの関係者は「ワシントンに来る韓国の人々は、そろって歴史問題で日本を非難し、米国を説き伏せようとするかのような、全く同じ話ばかり繰り返してきた。今では、韓国に対する疲労感が高まっている」と伝えた。最近では歴史問題をめぐって、米国の国務次官による、日本の肩を持つかのような発言が飛び出した。加えて韓国には、笹川財団のような、国のために巨額の資金を投じる企業もない。政・官・民の協力もほとんどない。国家的レベルの戦略や計画もなく、ばらばらにワシントンでの戦いに出向いているのだ。このまま行けば、韓日外交戦の勝敗がどちらに傾くかは、火を見るよりも明らかだ。
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