(ニュースから)ハゲタカが待ち構える日本株 株価為替、衝撃リポート 自民勝利なら「株価2万円台」「1ドル=130円」予測

 いよいよ2日に公示される衆院選。14日の投開票まで続く選挙戦では、経済が大きな争点になるとあって、米ゴールドマン・サックスなど外資系金融機関の関心も高い。各社の投資家向けリポートなどでは、総じて自民党が勝利し、アベノミクスが継続するという結果になれば市場にとってポジティブ(肯定的)と分析しており、「日経平均株価2万円台」「為替が1ドル=130円」との予測も出ている。

 世界最強の投資銀行と呼ばれるゴールドマンは、日本株に関するリポートのなかで日経平均の目標水準を「今後3カ月で1万8000円」「6カ月で1万9300円」「12カ月で2万0500円」と予測。投資判断も「オーバーウエート(強気)」を継続した。

 株高の原動力として重視するのは、日銀の追加金融緩和と年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)の運用資産配分の見直し、そして、安倍晋三首相が決断し、解散のきっかけにもなった消費税の再増税延期という10月末以降に打ち出された3つの政策。これをゴールドマンは「トリプル・バズーカ」と表現した。

 日本株のROE(自己資本利益率)が記録的水準で、株価が比較的割安であること、コーポレート・ガバナンス(企業統治)など構造改革への期待感に加え、日銀やGPIFを含む国内勢の日本株投資拡大も、強気の理由に挙げた。

 今回の衆院選については、2005年の小泉純一郎首相による「郵政解散」と同じ結果を狙っているとしたうえで、「野党は力が弱く、まとまりもないことから、自民党は安定過半数を維持できると推察される。こうした結果を想定すれば、次回総選挙は18年までないことになる」と分析。相場への影響について「短期的な混乱が一部生じる可能性はあるが、15年の政策環境は日本株に有利」とみる。

 リスク要因としては「安倍首相が内閣支持率を十分な水準に維持できないこと」を掲げており、長期安定政権を株高の条件とみている。

 仏金融大手のBNPパリバのストラテジストがロイターに寄稿した衆院選と株価に関するコラムも注目を集めた。そこでは自民党が現有議席を上回る圧勝の場合、日経平均は1万9000円以上、現有議席維持の場合、1万8000円-などと予測している。

 為替相場への影響を分析したのはドイツ証券。「自公が前回衆院選のように地滑り的勝利を得ることはなさそうだが、計286議席はかなり手堅い予想値」としてアベノミクスが18年まで継続されるというメーンシナリオのもとで、ドル円相場は15年に1ドル=125円、16年に1ドル=130円と予測した。

 安倍首相の再増税延期についても「財政再建の王道は景気回復であり、消費税増税の延期が当座の景気に支援的であることは確かだ」と肯定的に評価している。

 UBS証券のリポートでは「自民党は現有議席と同程度を維持する可能性がある」「短期的に投資家は再増税延期や解散総選挙にポジティブに動く」とする一方、「将来の財政バランスを懸念する声が高まる可能性があること、急激なリフレ政策は資本の逃避を促す可能性があること、解散後の新内閣も『第3の矢』の改革ペースが加速しないこと」などのリスク要因を列挙した。

 外資系の多くが、与党勝利と長期安定政権を前提として、株高と円安が加速すると予測している。これについて「顧客である外国人投資家が円売りと日本株買いのポジションを大量に抱えており、彼らのポジション・トークを代弁している」(国内準大手証券)と冷ややかに見る向きもある。

 一方で「再増税延期や解散を否定的に見ているのは日本の一部の市場関係者だけ。多くの海外の投資家は当然の決断だと歓迎している。安倍首相の求心力が低くなるような過半数ぎりぎりではない限り、株価は問題なく上がるだろう」(米系運用会社)との声もある。

 いずれにせよ、一連のリポートでは野党の存在感は薄く、今回の衆院選をアベノミクスに対する有権者の信任投票ととらえているようだ。

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