(ニュースから)「尖閣を守る」魂の防波堤 日本が積み上げた繁栄と平和の歩みを次世代へ

【沖縄が危ない】「尖閣を守る」魂の防波堤 日本が積み上げた繁栄と平和の歩みを次世代へ (1/2ページ) – 政治・社会 – ZAKZAK
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 「中国も長い目でやっていると思う。長期戦として対応したい」

 中国公船の領海侵犯が続く沖縄県・尖閣諸島の周辺海域で、最前線の警備に当たる石垣海上保安部の宮崎一巳部長が今年4月に語った言葉だ。尖閣を狙う中国の攻勢は「今世紀、ずっと続く」とみる人もいる。

 わずか5万人余の国境の島である八重山諸島が、13億人の軍事独裁大国と尖閣をめぐって対峙している。住民にとって、尖閣有事の危険は常に隣り合わせだ。

 中国がもし侵攻を決意するなら、尖閣を奪取するとは言わず、「悪者である日本を懲らしめる」という体裁を取るだろう。靖国神社や慰安婦問題は、日本を歴史の被告席に立たせ続ける口実だ。尖閣有事を起こさないためにも、中国の歴史プロパガンダには毅然として反論し続ける必要がある。

 尖閣には日米安保条約が適用され、中国が手出しすれば米軍が黙っていない建前だ。自国の防衛を米国頼みという現状には疑問もあるが、現実に米軍の存在が抑止力になっている。米軍との連携は緊密であるべきで、集団的自衛権を具体化する安全保障関連法案は、尖閣防衛という意味でも私たちにとって十分に合理性がある。

 尖閣周辺では中国公船の航行と領海侵犯が常態化している。中国公船の航行が頻発するようになったのは2010年の中国漁船による巡視船衝突事件がきっかけで、すでに数年続く、執拗(しつよう)な挑発行為だ。

 中国は恐らく、日本側がしびれを切らすのを待っている。日本が先に中国公船を攻撃するような事態になれば、仕掛けたのは日本ということになり、中国の「反撃」という形で軍事行動を正当化できる。日米安保があるとはいえ、日本から仕掛けた戦争に米国が加担するわけはないという読みもあるだろう。

 中国のたび重なる領海侵犯は日本人、そして沖縄県民としての誇りを大いに傷つける。しかし、尖閣有事をあえて引き起こせば、中国が喜ぶだけだ。今は隠忍自重し、従来通り冷静に対応すべきだ。隣国に軍事独裁大国を持った、私たちの宿命のようなものかもしれない。

 気持ちが暗くなるような長期戦だが、中国の攻勢を止める展望がないわけではない。私は、将来的な中国の民主化が大きなターニングポイントになると考えている。

 日本人、とりわけ沖縄県民が「尖閣を守る」という意識をしっかり持ち、魂の防波堤を築けば、尖閣有事など決して起きないと信じている。尖閣を守るとは、いたずらに中国と対立することではない。日本が積み上げてきた繁栄と平和の歩みを、確実に次世代へバトンタッチする決意だ。(仲新城誠)

(一定期間が過ぎると消えてしまう有用なニュースを掲載しています。)