(ニュースから)政権激変? アメリカが企む「安倍降ろし」と「次の総理」

政権激変? アメリカが企む「安倍降ろし」と「次の総理」 – ライブドアニュース
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安保改定直後に総辞職を余儀なくされた岸内閣。執念だけで悲願達成を果たした安倍首相は、その歴史を繰り返す――。

「議論が尽くされれば、採決するのが民主主義のルールだ」

こう言い放った安倍晋三首相が、戦後最長となる95日間の国会会期を大義名分として、安保法案をついに成立させた。

「日本の防衛だけでなく、同盟国が危機に陥った際にも自衛隊が相手国に武力行使できるという安保法制は、”憲法9条に違反する”などとして、野党や多くの国民が猛反発。数万人が国会を包囲するデモまで起こりましたが、それらを完全に無視して成立に突っ走ったんです」(全国紙政治部デスク)

5月に閣議決定してから、4か月での法案成立には執念すら感じるが、ここまで安倍首相が安保にこだわったのは、「アメリカの意向が大きかった」と話すのは『永田町抹殺指令!』(双葉社)の著書がある政治記者の鈴木文矢氏だ。

「慢性的な財源不足に悩むアメリカは、オバマ大統領の就任以来、莫大な予算を必要とする米軍の縮小を行ってきました。今回の安保法案成立は、極東地域における日本の存在感を向上させることができ、この地区に展開している米軍の規模縮小を下支えすることになるんです」

中国や北朝鮮が軍事的存在感を増す極東地域は、世界の中でも重要度の高い地域だが、米軍を現状より強大化することは不可能。

それどころか、鈴木氏によると、アメリカは来年度に米兵4万人を削減する方針を打ち出しており、極東の軍事バランスの維持のため、安倍安保の早期成立は是が非でも必要だということなのだ。

一方で、「日本の軍備が米軍を補完するものであるうちは、何も言ってこない」(前同)と言うように、アメリカが警戒しているのは、安倍首相の強気な姿勢だ。

国際問題評論家の小関哲也氏も、「現在、日米は軍事パートナーとしての関係ですが、アメリカにとっては日本が主となる関係は望んでいません」と話すように、”日米関係のあり方”は一致している。

「あまりに”右”過ぎる安倍首相は、アメリカにとっては、諸刃の剣だったんです。その政治姿勢ゆえに、自国の軍事強化には余念がなく、安保成立にはもってこいだったが、成立後は、むしろ危険な存在となる。つまり、安保に目途がついた瞬間から、アメリカにとって安倍首相は不要な存在でしかなく、”安倍降ろし”に走る可能性がある」(前出の政治部デスク)

8割以上も減少した自民党員

さらに現在、交渉が大詰め段階を迎えているTPP(環太平洋経済連携協定)も、その引き金を引く一因となるという。

「TPPは、アメリカにとって国益を拡大する悲願の政策。にもかかわらず、安倍首相は担当する甘利明経済財政政策相に対し、”譲歩し過ぎないように”と檄を飛ばしていますからね」(前出の鈴木氏)

長期政権を目指す安倍首相にとっては、かつての「中曽根-レーガン」、「小泉-ブッシュ」よろしく、”日米蜜月”が必須条件なのは永田町の定石。ところが、安保法案成立後の懸念とTPPでの軋轢がある安倍政権においては、もはや、その関係は崩れているのだ。

「かつて、橋本龍太郎元首相が、日本の財政再建目的で米国債売却を示唆したところ、国益を失うと判断したアメリカが裏工作を行い、失脚に追い込んだのは公然の秘密です」(前同)

そして現在は、今年8月に、アメリカが日本政府の電話を盗聴していたことが、内部告発サイト『ウィキリークス』で明らかになったように、

「アメリカは日本の政府や要人に関する膨大な情報を蓄積しています。スキャンダルを流すことで政治家を交代させることなんて、たやすいんです」(同)

アメリカが本気を出せば、安倍首相はひとたまりもないということだが、それに加えて、党内からも火種が噴出。ある自民党中堅議員は、「安保法案成立は、”安倍降ろし”の号砲になる」と断言するのだ。

その最大の理由が、支持率低下だ。第2次安倍政権発足時は60%もあった支持率が、最近では3割台にまで急落。不支持が支持を上回る調査結果もある。

「ピーク時の1991年には550万人近い党員数を誇った自民党ですが、最近ではその2割にも満たず、90万人を下回っているんです。組織力は往時と比べるべくもない今の自民党にとっては、国民の支持こそが最大基盤。野党再転落を防ぐには、支持を得られない安倍内閣には退いてもらうほかない」(前同)

支持率だけでなく、警察発表で3万人、主催者発表で12万人が国会を包囲するなど、安倍首相が敬愛する祖父・岸信介元首相が招いた60年安保闘争と同様の混沌とした状況となっている。そうは言っても、安倍首相は自民党総裁選で無投票再選したばかり。

「アメリカとの関係もあり、安保成立までは安倍さんでいくというのが、統一見解だった。ただ、これからは安倍さんでいく必要はない。これ以上支持率が下がるようなことがあれば、来夏の参院選で惨敗する可能性が高い。選挙前に”安倍カラー”を薄めておく必要がある」(同)

アメリカのみならず、党内からも見放された安倍首相の政権維持は、もはや不可能なのだ。

強すぎる安倍色を弱める人材

そして、永田町では、「アメリカも”次の総理”にツバをつけている」との噂も流れているという。

「自民党であれば、石破茂地方創生相でしょう。日米安保は片務的、というのが彼の持論で、日米同盟の庇護者。さらに、安倍政権では冷遇されていますので、アメリカにすれば、ちょうどいい存在なんです」(前出の鈴木氏)

事実、石破氏の動きは活発化しており、今月上旬に〈石破氏、派閥結成へ〉の見出しが新聞やテレビに走ったのは、ご存じの通り。人数は20人程度と、党内で6番目の規模の派閥と見られているが、

「派閥結成は、次期総裁への意欲の表れ。反安倍勢力を中心に、他派閥との連携もしやすくなることが最大のメリット」(政治記者)

一方、党内からは野田聖子前総務会長を推す声が、日増しに高まっているという。野田氏といえば、結果的には断念したものの、9月の党総裁選で出馬の意思を表明し、推薦人集めに走っていた。

関係者が「安倍陣営周辺からの強烈締めつけにあい、涙を飲むことになりましたが、反安倍の機運はいまだ燻り続けている」と話すように、今回は推薦人に名前を貸さなかったが、”次”は分からないという議員が相当数いるというのだ。

「色が濃すぎる安倍首相の次は、”中和できる人”がいいとの声が、かなり聞こえてきます。そうなると、女性首相は有力な案。高市早苗総務相や稲田朋美政調会長など、女性首相となると何人か名前が挙がりますが、すでに首相への積極姿勢を表明した野田さんには話が通じやすいですから」(自民党議員)

前出の小関氏が、

「アメリカ国内ではオバマ政権の外交は評価されておらず、保守派を中心に”もっと強いアメリカを”との声が強まっている」

と話すように、経済対策や極東地域での軍事バランスを鑑みれば、日本政府との関係性が非常に重要なアメリカ。

しかし、その大国が睨む今後の日米関係には安倍首相の名前はなく、祖父が安保改定後に総辞職に追い込まれた歴史を繰り返すほかないのかもしれない。

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