共産党「違憲の軍隊」批判も自衛隊の解体を主張せず


共産党は「違憲の軍隊」と批判しながら、自衛隊の解体を主張しない。彼らは綱領に掲げる日米安保条約廃棄を、野党各党に提案した「国民連合政府」構想では「凍結」とし、急迫不正の時には「自衛隊を活用する」などと言っている。
なんとご都合主義なのか。

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【共産党研究】「違憲の軍隊」批判も自衛隊の解体を主張せず 非現実的な共産党の「丸腰」論 (1/2ページ) – 政治・社会 – ZAKZAK
http://www.zakzak.co.jp/society/domestic/news/20160307/dms1603070830001-n1.htm

 現憲法下で何十回と衆参の国政選挙が行われてきたが、憲法改正が大争点になったことは一度もない。自民党は結党以来、自主憲法制定を掲げてきたが、どの政権でもないがしろにされてきた。今回、安倍晋三政権の下で、初めて憲法改正が前面に押し出されようとしている。

 安倍首相は2月3日の衆院予算委員会で、「7割の憲法学者が自衛隊について憲法違反の疑いを持っている状況をなくすべきではないか、という考え方もある」「(憲法学者が)自衛隊の存在、自衛権の行使が憲法違反だと解釈している以上、集団的自衛権も憲法違反となっていくのだろう」と答弁した。自民党の稲田朋美政調会長の質問に答えたものだ。

 稲田氏も「憲法学者の多くが素直に文理解釈すれば、自衛隊が違憲である(となる)9条2項は現実にまったく合わなくなっている。このままにしておくことこそ立憲主義を空洞化する」と述べた。
 まったく、その通りである。

 「陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない」という、憲法第9条2項を素直に読めば、自衛隊は違憲だとなる。憲法学者の出番など必要もない。歴代自民党政権と内閣法制局は、知恵を絞って自衛隊を合憲だとしてきた。これは戦後体制の欺瞞(ぎまん)の1つである。この上にあぐらをかいてきたのが日本共産党や、かつての社会党であった。

 彼らは「違憲の軍隊」と批判しながら、自衛隊の解体を主張しないのである。共産党は綱領に掲げる日米安保条約廃棄を、野党各党に提案した「国民連合政府」構想では「凍結」とし、急迫不正の時には「自衛隊を活用する」などと言っている。

 共産党の立場からすれば、日米安保条約も自衛隊も憲法に反するもののはずだ。これを肯定するというのであれば、それこそ立憲主義に反することになるではないか。

 そもそも、集団的自衛権行使に反対するのであれば、なぜ憲法に反するはずの日米安保条約や自衛隊の即時廃棄・解体を叫ばないのか。そうすれば、集団的自衛権行使の危険性は、まったくなくなる。主張しない理由は簡単だ。共産党が唱える、事実上の「丸腰」論など非現実的であり、国民から支持されないからだ。ここに野党の卑劣さがある。

 野党5党(=民主党と維新の党、共産党、社民党、生活の党)が、安全保障法制の廃止法案を共同提出した。共産党が夏の参院選で、これを最大の争点として打ち出してくることは間違いない。

 これも大いに結構なことだ。野党が今度の選挙で多数を獲ることができなければ、安保法制も国民に信任されたことになる。

 ただ、憲法に対する国民の感情は、なかなかナイーブなものだ。自民党も、そのことはよく踏まえて提起することだ。
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