(ニュースから)NHK「クローズアップ現代」やらせ疑惑 記者が演技指導 口止め料支払い提案も

NHK「クローズアップ現代」やらせ疑惑 記者が演技指導 口止め料支払い提案も (2/2ページ) – 政治・社会 – ZAKZAK
http://www.zakzak.co.jp/society/domestic/news/20150402/dms1504021536013-n2.htm

 NHKの看板番組「クローズアップ現代」でやらせ報道があったとされる問題で、「出家詐欺のブローカー」と報道された大阪府内の飲食店長の男性(50)が1日、大阪市内で報道各社の取材に応じた。男性は「ブローカーではない。犯罪者であるかのような放送がされ、憤りを感じる」と語り、NHK側に訂正報道を要求した。NHKは調査委員会を立ち上げる方向といい、疑惑の解明に乗り出した。

 「やらせがあったかどうか、先入観を持たずに調査を進めている。非常に大きな問題なので徹底的に行いたい」

 NHKの籾井勝人会長は2日午前の参院予算委員会で、こう語った。民主党議員の質問に答えた。来週までに把握できた結果を、途中経過でも報告するという。

 問題の番組は、多重債務者がブローカーを介して出家により改名し、別人に成り済まして融資などをだまし取る手口を紹介する内容で、昨年5月に放送された。週刊文春が今年3月、ブローカーと多重債務者とのやりとりについて、NHKの記者が男性らに演じさせた「やらせ」と報じた。

 男性や代理人の弁護士によると、男性は2013年、番組で多重債務者を演じたとされる知人から記者を紹介され、14年4月に大阪市内のホテルで面会した。そこでブローカー役を演じるよう指示されて、市内の事務所に移動し、撮影に協力したという。5月放送の番組などで、実在するブローカーであるかのように報じられたという。

 番組では、顔が映らず声も加工されていたが、身ぶりや体つきで男性と気付いた家族らに「ブローカーをやっていたのか」と指摘され、事態を把握。記者に説明を求めたところ、金額は示されなかったが「足代」として口止め料の支払いを提案され、断ったという。

 男性は撮影に協力した経緯について「記者からどのように放送するのか説明がなく、再現映像の撮影だと思っていた。借金をしている(多重債務者役の)知人からも協力を求められ、撮影を断れなかった」と釈明した。

 NHK側は1日、大阪市内で弁護士と編成局員2人が男性と面会。男性の経歴や記者に対する発言のほか、記者が男性に行ったとされる「演技指導」の内容、撮影現場となった大阪市内の事務所内での物品やスタッフの配置について集中的に質問したという。

 男性はNHK側に訂正報道を検討し、弁護士を通じて7日以内に回答するよう要求した。納得できる回答がない場合は、BPO(放送倫理・番組向上機構)への人権侵害の救済申し立てを検討することも伝えた。

 男性は報道各社の取材に対し、「知人や家族から番組について指摘され、仕事がしづらくなっている。放送後に事情を問いただしても記者は(口止め料で)もみ消そうとした。憤りしかない。素直にやったことを認めて報道を訂正してほしい」と訴えた。

(一定期間が過ぎると消えてしまう有用なニュースを掲載しています。)