(ニュースから)米軍基地には饒舌でも尖閣には口数が少なくなる翁長知事の不可解

【沖縄が危ない】米軍基地には饒舌でも尖閣には口数が少なくなる翁長知事の不可解 (1/2ページ) – 政治・社会 – ZAKZAK
http://www.zakzak.co.jp/society/domestic/news/20150708/dms1507081140004-n1.htm

 「沖縄県議会で翁長雄志知事が読み上げた所信表明に『尖閣』の文字すらなく、意識の低さが見える」 

 こう翁長氏を批判するのは、石垣市出身の砂川利勝県議だ。尖閣諸島は石垣市の行政区域だが、周辺海域では中国公船の領海侵犯が日常化している。しかし、翁長氏の言動からうかがい知れるのは、当事者意識の欠如だ。

 その最たるものは、河野洋平元衆院議長らに同行した4月の訪中だった。中国の李克強首相と面会しながら、中国との経済交流を要請しただけで、領海侵犯には一言も抗議しなかったのだ。

 翁長氏は訪中前、尖閣問題に言及するかを聞かれ、「一地方自治体の長が触るわけはない」とそっけなかった。石垣市の中山義隆市長は「尖閣には来ないで、平和的にお付き合いしましょうと言うべきだった」と、翁長氏の弱腰を憤る。

 尖閣周辺では、中国公船がほぼ毎日、2~3隻体制で「パトロール」と称して航行している。さらに月3回ほどの頻度で領海侵犯が起きている。県民の目が米軍基地問題にくぎ付けになっている隙に、中国は国境の海を荒らしまわっているのだ。

 米軍基地問題では饒舌な翁長氏だが、尖閣問題となると急に口数が少なくなる。昨年11月の知事選で石垣市を訪れた翁長氏が尖閣問題に触れたのは、たったの2言だった。

 「安倍政権の威勢のいい、前のめりな言葉で解決しようとすると、将来に禍根を残す。平和外交、国際法にのっとって解決すべきだ」

 「威勢がいいことを言う政治家は石垣にもいるが、この人たちは責任を取らない」

 平和外交や国際法とは確かに美しい言葉だが、県民は尖閣問題の被害者であり、悠長なことばかり言っていられない。中山市長が指摘するように「実力で他人の物を奪うのは許せない。中国公船は即刻去るべきだ」となぜ言えないのか。

 中国から同様の被害に遭っているベトナムやフィリピンも喝采したはずだ。翁長氏は李首相との面会で、男を上げる千載一遇のチャンスを逸した、と残念に思う。

 ただ、尖閣問題への無関心は、歴代知事も似たり寄ったりだ。

 石垣市が毎年1月に開いている「尖閣諸島開拓の日式典」に、歴代知事は一度も出席していない。尖閣から数百キロ離れた沖縄本島の住民は、もともと、当事者意識が薄い。翁長氏ばかりを責めるのは酷だろう。

 私は、県民が本当に怒れば、中国公船も悠々と領海侵犯していられないと信じている。しかし、現実には、多くの県民が翁長氏同様、尖閣問題を他人事だと考えている。トップの意識が変わらなければ、県民の意識も変わらない。(仲新城誠)

(一定期間が過ぎると消えてしまう有用なニュースを掲載しています。)