(ニュースから)「親朝日」勢力による慰安婦問題継続の“工作活動” 藤岡信勝氏が指摘

 朝日新聞が慰安婦問題の大誤報を認めてから2カ月が過ぎた。世界に「慰安婦=性奴隷」という事実無根の宣伝が広まるなか、朝日による日本と日本人の名誉を回復させる動きは鈍い。一方、「親朝日」勢力による問題継続の“工作活動”も始まっている。慰安婦問題を徹底追及してきた拓殖大学の藤岡信勝客員教授が迫った。 

 朝日が8月5、6日に掲載した、慰安婦報道の検証記事は欺瞞(ぎまん)に満ちたものであった。産経新聞からコメントを求められた私は「白旗を掲げつつ進軍ラッパを吹くようなものだ」と評し、「朝日新聞はその代償を払わされることになるだろう」と予言した(8月8日付)。その後の経過は、私の予言通りになった。

 朝日は未練たらしく、8月28日には追加の小特集記事を掲載し、河野洋平官房長官談話には吉田清治証言は影響していないとして、談話見直しに反対するミニ・キャンペーンを張った。

 しかし、強気の姿勢もここまで。その後、ジャーナリストの池上彰氏のコラムを一時不掲載にしたことなども響いて、9月11日、ついに木村伊量社長が記者会見を開いて謝罪する事態に追い込まれた。

 私は朝日問題に関して、現時点で論ずべき2つの論点を提起したい。

 第1は、朝日の犯したのは、うっかり間違いの「誤報」なのか、意図的に事実をデッチ挙げた「捏造」なのか、という問題である。植村隆記者は1991年8月11日付の大阪本社版社会面で、慰安婦の過去をカミングアウトした第1号、金学順(キム・ハクスン)さんの証言を記事にした。

 しかし、植村記者は「だまされて慰安婦にされた」とは書いたが、「14歳のとき、母親に40円でキーセンに売られた」という重要な事実を書かなかった。また、金さんが「女子挺身隊の名で」連行されたと書いたが、本人は一言も女子挺身隊には言及していないのである。

 取材対象が言ってもいないことを付け加えたのなら、植村スクープは完全な捏造といわれても仕方ない。このことは、9月末放送のテレビ朝日『朝まで生テレビ!』でも珍しく合意された。

 《朝日は8月5日の検証記事で、金さんがキーセンに売られたと明らかにしたのは『91年8月14日に北海道新聞や韓国メディアの取材に応じた際』とし、女子挺身隊については『当時慰安婦と挺身隊の混同がみられ、植村氏も誤用した』と説明。『意図的な事実のねじ曲げはない』とした》

 第2は、吉田証言を虚偽として取り消しても、「慰安婦問題は厳然として存在」しているのかという問題である。一部メディアなどは、慰安婦問題を「継続」することに躍起になっている。今、最大の争点はここにあるといってよい。

 継続派は集団錯誤に陥っている。吉田氏の創作した「奴隷狩り」のイメージが、慰安婦問題のすべての原点なのである。それ以前に、慰安婦の強制連行などを問題にした人はいない。吉田氏の嘘は1982年から、現代史家の秦郁彦氏による韓国・済州島の現地調査で虚偽がバレる92年までの10年間、誰も疑うことなく、ノーマークで闊歩(かっぽ)した。

 この10年の刷り込み効果なしに、慰安婦問題は存在しなかった。吉田証言が否定された今、慰安婦問題はすべてが消滅する。これをこそ、「直視」すべきである。

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