(ニュースから)<両陛下>パラオへ出発 戦後70年「慰霊の旅」

<両陛下>パラオへ出発 戦後70年「慰霊の旅」 (毎日新聞) – Yahoo!ニュース
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150408-00000039-mai-soci

 天皇、皇后両陛下は8日午前、羽田空港から民間のチャーター機でパラオ共和国に向けて出発された。戦後70年の節目にあたり、両陛下の強い思いから実現した「慰霊の旅」で、9日には太平洋戦争で日米合わせて約1万2000人が犠牲になった同国のペリリュー島を訪問。同日夜に帰国する。

 午前11時から空港の貴賓室で行われた出発行事には、皇太子さまと秋篠宮さま、安倍晋三首相らが参加。天皇陛下は「終戦の前年には、これらの地域で激しい戦闘が行われ、幾つもの島で日本軍が玉砕しました。この度訪れるペリリュー島もその一つで、この戦いにおいて日本軍は約1万人、米軍は約1700人の戦死者を出しています。太平洋に浮かぶ美しい島々で、このような悲しい歴史があったことを、私どもは決して忘れてはならないと思います」と述べた。

 両陛下は到着後、同国のレメンゲサウ大統領夫妻と会見する他、戦争で多くの日本人が命を落としたミクロネシア連邦とマーシャル諸島の大統領夫妻とも懇談する。夜は海上保安庁の巡視船「あきつしま」に宿泊。9日にはヘリコプターでペリリュー島に渡り、「西太平洋戦没者の碑」などを訪問する。【古関俊樹、大久保和夫】

 ◇天皇陛下のおことば

 本年は戦後70年に当たります。先の戦争では、太平洋の各地においても激しい戦闘が行われ、数知れぬ人命が失われました。祖国を守るべく戦地に赴き、帰らぬ身となった人々のことが深く偲(しの)ばれます。

 私どもはこの節目の年に当たり、戦陣に倒れた幾多の人々の上を思いつつ、パラオ共和国を訪問いたします。

 パラオ共和国は、ミクロネシア連邦、マーシャル諸島共和国と共に、第一次世界大戦まではドイツの植民地でしたが、戦後、ベルサイユ条約及び国際連盟の決定により、我が国の委任統治の下に置かれました。そしてパラオには南洋庁が置かれ、我が国から多くの人々が移住し、昭和10年ごろには、島民の数より多い5万人を超える人々が、これらの島々に住むようになりました。

 終戦の前年には、これらの地域で激しい戦闘が行われ、幾つもの島で日本軍が玉砕しました。この度訪れるペリリュー島もその一つで、この戦いにおいて日本軍は約1万人、米軍は約1700人の戦死者を出しています。太平洋に浮かぶ美しい島々で、このような悲しい歴史があったことを、私どもは決して忘れてはならないと思います。

 この度のパラオ共和国訪問が、両国間にこれまで築かれてきた友好協力関係の、更なる発展に寄与することを念願しています。私どもは、この機会に、この地域で亡くなった日米の死者を追悼するとともに、パラオの国の人々が、厳しい戦禍を体験したにもかかわらず、戦後に、慰霊碑や墓地の清掃、遺骨の収集などに尽力されてきたことに対し、大統領閣下はじめパラオ国民に、心から謝意を表したいと思っております。

 この訪問に際し、ミクロネシア連邦及びマーシャル諸島共和国の大統領ご夫妻が私どものパラオ国訪問に合わせてご来島になり、パラオ国大統領ご夫妻と共に、ペリリュー島にも同行してくださることを深く感謝しております。

 終わりに、この訪問の実現に向け、関係者の尽力を得たことに対し、深く感謝の意を表します。

(一定期間が過ぎると消えてしまう有用なニュースを掲載しています。)