(ニュースから)11歳で戦災孤児となった私は集団的自衛権に賛成する 渡辺喜太郎氏

【ジェットコースター人生】11歳で戦災孤児となった私は集団的自衛権に賛成する 渡辺喜太郎氏  (1/2ページ) – 政治・社会 – ZAKZAK
http://www.zakzak.co.jp/society/domestic/news/20150715/dms1507151736019-n1.htm

 多くの憲法学者が「違憲」と断じたり、自民党議員の報道機関に圧力をかけるような発言があったり、地方議会の多くが「反対」の意見書を可決したり…と、安全保障関連法案に逆風が吹いている。

 70年前の1945年3月10日未明、米軍のB29爆撃機による東京大空襲で、私は両親と妹3人を一度に亡くした。11歳で戦災孤児になった私は、口にはできないような苦労をした。だから、心底、戦争は嫌だと思っている。かわいい孫たちも戦争に巻き込ませたくない。平和を願う気持ちは、人一倍強い。

 そんな私でも、というか、そんな戦争孤児の私だからこそ、安保保障関連法案は通してもらいたい。「平和」と叫んでさえいれば、中国が「ハイハイ、平和を愛する日本には何もしませんよ」と言うとでも思っているのだろうか。コッチが何も言わないと、中国は勝手にどんどん領土を広げてくる。

 ご存じのとおり、ベトナムとフィリピンの間にある南シナ海で、中国は急速に権益を拡大している。岩礁を埋め立てて人工島を建設して、滑走路など軍事拠点にしようともくろんでいる。これは、フィリピンの基地に駐留した米軍が92年に撤退したスキを突いたものだ。国防費が中国の50分の1のフィリピンはあわてて米軍と合同軍事演習をしているが、南シナ海の中国の実効支配拡大を止めることはできない。

 この6月、海上自衛隊とフィリピン海軍が南沙諸島周辺で海自のP3C哨戒機を使った合同救助訓練を実施した。フィリピン政府はこの海域に自衛隊を入れたい意向だ。アジア諸国は日本の軍備に懸念を持っていると思われがちだが、第2次大戦で旧日本軍に侵攻されたフィリピンも、自衛隊駐留につながる地位協定の交渉準備を進めている。

 中国はスキを見せると、どんどん進出してくる。沖縄も米軍基地がなくなったら、どうなるか。何もしないと、ますます中国は図に乗って、「やりたい放題」を加速させる。中国にナメられないためにも安保保障関連法案は必要だと思う。集団的自衛権は、戦争が起こるのを防ぐ手段だ。まさに抑止力。

 安倍晋三首相の父親の晋太郎さんのことはよく知っているが、安倍さんはお父さんより頑張っている。安倍さんの経済政策については疑問の部分があるが、中国にスキを見せないという方針は大賛成。

 最近、戦前生まれの自民党長老たちが「安倍首相をはじめ、戦争を知らない政治家ばかりになってしまい、日本の先行きが心配だ」と、安倍政権の危うさをアピールしていたが、悲惨な戦争を体験した年寄りの中にも、集団的自衛権に賛成している人間がいることもお伝えしたかった。

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