(ニュースから)自民圧勝で財務省降伏か 高橋洋一氏「長期政権なら面従腹背でも従う」

 今回の衆院選では、消費税の再増税延期を決断した安倍晋三首相と、増税を実現したい財務省の対立構造も浮き彫りになった。「最強官庁」と呼ばれる財務省に、安倍首相は国民に信を問う形で対抗したが、事前の世論調査どおりに自民党が圧勝し、長期政権が実現すれば、財務官僚をねじ伏せることも可能となるという。

 「財務省のみなさんも、善意ではあるんですが、すごい勢いで根回しをしてますから、党内全体がその雰囲気になっていて…」

 公示前の11月30日、安倍首相はフジテレビ「報道2001」に出演し、財務省の増税包囲網についてこう明かした。

 続けて「責任を持っているのは私ですから、解散総選挙という手法で民意を問えば党内、与党も含めて、役所もみんなでその方向に向かってちゃんと進んでいく」と語気を強めた。

 また、産経新聞によると、衆院解散前、安倍首相が消費税再増税の先送りに傾きつつあるとの情報を得た財務省は組織を挙げて説得工作に乗り出し、自民党議員は次々に切り崩されていった。首相は周囲に「財務省はおれに政局を仕掛けているのか?」と漏らしたという。

 「選挙結果によって首相と財務省の関係は大きく異なってくる」と指摘するのは、元財務官僚で、嘉悦大教授の高橋洋一氏。

 衆院選で自民党が議席を大きく減らした場合、こんなシナリオが想定されるという。

 「来年度予算と補正予算で歳出増を渋り、景気は良くならないので、自民党は来年春の統一地方選で負け、党内基盤も弱くなる。来年秋の自民党総裁選での再選は難しくなる」

 逆に自民党が圧勝し、長期政権が視野に入った場合はどうか。約5年5カ月続いた小泉政権下で総務大臣補佐官を務めた高橋氏は当時を振り返りつつ語る。「予算編成で最初は財源がないと渋っても、最後には“埋蔵金”が出てきた。今回も埋蔵金に手を突っ込まれ、国債発行を増やさずに予算を組めるとなると、再増税もやりにくくなる。財務官僚にとっては最も嫌なことだろう」

 財務官僚は選挙で選べないが、民意を反映させることは可能というわけだ。高橋氏はこう締めくくった。

 「財務官僚は、政権がどのぐらい続くのか、よく見ており、長期政権になると思うと、面従腹背であっても従うものだ。政治家にとって議席数は最大の力となる」

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