(ニュースから)石垣や与那国まで狙う中国 領土を軽く考えると子孫に重大な禍根を残す

【沖縄が危ない】石垣や与那国まで狙う中国 領土を軽く考えると子孫に重大な禍根を残す (1/2ページ) – 政治・社会 – ZAKZAK
http://www.zakzak.co.jp/society/domestic/news/20150305/dms1503051550006-n1.htm

 中国紙「環球時報」(電子版)は昨年12月、米国人学者の論文を引用する形で「将来、八重山諸島が中国と日本の摩擦原因となる可能性が高い」と報じた。中国が尖閣諸島だけでなく、八重山の島々である石垣島や与那国島などにも強い関心を抱いていることが明らかになった。

 「日中間の対立」というと尖閣ばかりがクローズアップされる。だが、八重山に住む私たちは、もともと中国の視線はもっと先にあると感じていた。つまり中国は、八重山を制圧することで、太平洋に進出し、米国と対決する道が開ける。尖閣はその糸口に過ぎない。

 石垣島や与那国島への自衛隊配備に反対する人たちは「基地があるから攻撃される」と主張するが、中国に太平洋制覇の野心がある限り、八重山は基地がなくても狙われるだろう。

 安倍晋三首相と中国の習近平国家主席が昨年11月に会談した後も、尖閣周辺海域では、中国公船「海警」が連日航行を続け、領海侵犯のペースは衰えていない。日本では日中首脳会談による雪解けムードが報道されがちだが、私たちから見ると、尖閣や八重山を標的とする中国の攻勢はまったく変わっていない。

 国境の島々の重要性を考えるとき、興味深いエピソードがある。

 明治政府が琉球王国を併合した1879年の「琉球処分」に対し、当時の清国が強硬に抗議した。これに対し、明治政府は、沖縄本島を日本領とする代わりに「先島」と呼ばれる宮古、八重山を沖縄県から分割し、清国に割譲する案を提示した。

 両国はこの「先島分割案」で条約調印寸前だったが、結局うやむやになってしまった。もし、八重山が清国に分割されていれば、その後の日中の運命は大きく変わっていたに違いない。

 まず尖閣は、文句なしに中国領になってしまう。八重山に住む私たちも、今ごろ中国語が母国語になっていただろう。

 中国は19世紀の時点で、八重山周辺海域から太平洋に抜けるルートを確保し、とっくの昔に巨大な海軍力を構築していたはずだ。沖縄本島の米軍は直接、中国の脅威にさらされていただろう。

 130年前の日中両政府は、良くも悪くも、領土に関してまったく先見の明がなかったのである。

 現在でも、島根県・竹島を含め、「両国が仲良くするためなら、小さな島なんて譲っていい」という論調が日本にある。しかし、領土を軽く考えると、100年後、200年後の子孫に重大な禍根を残す。

 幻の「先島分割案」は、国境の離島こそ、日本を守る砦(とりで)であることを教えてくれる貴重な教訓なのである。

(一定期間が過ぎると消えてしまう有用なニュースを掲載しています。)