(ニュースから)民団が本国の韓国を批判「在住同胞も侮辱…仙台は外交官の忌避地域?」

民団が本国の韓国を批判「在住同胞も侮辱…仙台は外交官の忌避地域?」
http://www.mindan.org/shinbun/news_view.php?page=4&category=8&newsid=20142

 日本における嫌韓言説について論じるとき、その横行を許す要因のひとつとしてよく持ち出されるのが韓国メディアによる<情報提供>だ。確かに、ネット上に主要各紙の報道・論評が日本語で配信されていて、そこに突っ込み材料があふれている。

 つい最近もあった。仙台総領事に女性が任命されたことについて、朝鮮日報の政治部記者(以下、記者)が「記者手帳」(日本語版。2月13日付)で、「『忌避地域』とされる場所に女性を赴任させ、これを『女性重視』などと宣伝するのは何か強引な感を拭えない」と書いたのだ。

 記者はまず、在外公館長の人事はローテーションが原則であり、今回のように副総領事が同じ場所でそのまま総領事に昇進するのは異例だとした。そのうえで、今回の人事の特徴は公職における女性の幹部昇進を後押しするため、現政権として初めて女性公館長を任命した点にあるとする外交部当局者のコメントに対し、こんな横ヤリを入れたのだ。

 仙台は福島第1原発から80㌔しか離れていない。放射能汚染への心配から、仙台勤務を希望する外交官は激減しているという。ある外交官は「東京への赴任さえためらう職員が多い。仙台は言うまでもない」と述べた。当の女性総領事も当初は日本の別の地域への赴任を希望していたそうだ。別の外交筋は「不人気の地域に女性を赴任させておきながら、これを『女性重視』という心地よい言葉でごまかしているのではないか」と指摘した。

 記者は、当の女性総領事の「チャンスが与えられ感謝している」との言葉や、外交部当局者の「一部の外交官が日本への赴任を嫌っているのは事実だが、仙台は決してそのような場所ではない」「今回も仙台への赴任希望者が2人いた」との説明を紹介してもいる。しかしそれは、バランスをとったふうを装ったにすぎない。

 日本人や在日同胞のまともな読者でも、「仙台が忌避地域だと? 日本行きそのものが嫌われている? 韓国の外交官はそんなけしからん目で日本を見ているのか」と受けとめただろう。「ある外交官」「別の外交筋」といった<情報源>が実在し、「外交部当局者」を含め記述された各コメントが言った通りであれば、あまりにも嘆かわしい。

 しかし、まったく別の見方もできる。<情報源>は実在しているのか。実在したとして、コメントは脚色されていないか。コメントが言った通りだとして、その<情報源>は今回の人事が不満でうっぷん晴らしをしたかっただけではないのか。こうした可能性のほうが高いと思う。

 韓国の在外公館はアフリカ地域の一部を除けば、世界に網の目のように張り巡らされている。外交官は猛烈さで名高い韓国のビジネスマンに劣らず、戦争、内戦、テロ、貧困、疫病に苦しむ国・地域でも踏ん張ってきた。それなくして、世界の最貧国を脱して強国の仲間入りを果たせるわけがない。

 「記者手帳」は当の女性総領事ばかりか日本に勤務する韓国の外交官すべてを侮辱し、職務を妨害したにひとしい。「忌避地域」だの「ためらわれる地域」だのと言っておいて、赴任先の各界や在日同胞と信頼関係が築けるはずも、まともな仕事ができるわけもないからだ。それ以前に、それら「地域」の日本人と同胞を侮蔑したことになる。

 ちなみに、4月に赴任する予定の当の女性総領事は、副総領事として仙台在任中から地域に親しみ、人格や職務遂行能力が高く評価され、周囲の信望も厚い。民団の歴史や実情についても熱心に勉強していたという。宮城をはじめ東北各本部の民団関係者も総領事昇進を大いに歓迎している。記者はこうした現地の声に耳を傾けてはいない。

 最後に強調したい。事実か事実でないかはともかく、赴任先が敏感に受けとめる在外公館人事の<楽屋話>がなぜ、こうも露わになるのか。いや、露わにしなければならないのか。<内部情報>によるものであれば、外交部は綱紀粛正を徹底すべきであり、憶測記事の可能性が排除できない以上、朝鮮日報も韓国を代表する言論機関として、自己検証に乗り出すべきだ。

 在日同胞の多くが、日本の嫌韓派にあまりにもたやすく<情報提供>する韓国メディアを苦々しく思い、憤りさえ覚えていることを知っておくべきだ。

(一定期間が過ぎると消えてしまう有用なニュースを掲載しています。)