(ニュースから)戦争を実体験した女性作家 安保法案「反対」の矛盾に疑問 K・ギルバート氏

【ニッポンの新常識】戦争を実体験した女性作家 安保法案「反対」の矛盾に疑問 K・ギルバート氏 (1/2ページ) – 政治・社会 – ZAKZAK
http://www.zakzak.co.jp/society/domestic/news/20150829/dms1508291000002-n1.htm

 先日、満洲で終戦を迎えたときに14歳だった、女性作家のラジオ番組を聴いた。先の戦争を実体験した人ならではの話は、とても興味深かったが、私には論理矛盾が気になった。

 ご本人も気付いていない様子だったので、少し指摘してみたい。

 1945年8月9日未明、ソ連は日ソ中立条約を一方的に破棄して、満洲や樺太、千島列島への侵略を始めた。1週間もせずに日本政府はポツダム宣言を受諾した。満洲に駐留する日本軍も武装解除された。彼女は銃が積み上がる様子を窓から実際に見たという。

 その後、満洲では中国人やソ連兵による暴動や略奪が相次いだ。家財はおろか、命を奪われた日本人も少なくない。武装解除のせいで日本軍が日本人居留民を守れなくなったからである。

 彼女自身も、ソ連軍将校に強姦されそうになったという。激しく抵抗した後、物置に隠れて難を逃れた。母親も娘を守ろうと必死に抵抗したそうだ。ちなみに母親の行動は正当防衛に当たるが、これは個人レベルの集団的自衛権行使と言い換えることもできる。

 彼女は現在、憲法9条を信奉し、反戦平和運動を行っているが、戦時中は「軍国少女」だった。国のために命をささげる覚悟だったのに、国とは一晩で無くなるものかとむなしく感じたそうだ。平穏な日本人居留地の治安が崩壊したことを、「国が無くなった」と表現したのだろう。

 繰り返しになるが、ソ連兵などの暴動や略奪の原因は、敗戦による日本軍の武装解除である。つまり、強い軍隊がいなければ、国は国民を守れないという現実を彼女は実体験として知っている。

 それなのに憲法9条を信奉し、国の自衛権を強化する安全保障関連法案に反対する矛盾を、頭の中でどう処理しているのか、不思議である。

 学徒動員兵の遺書を集めた『きけ わだつみのこえ』が反戦平和運動に転向したきっかけと話していたが、あれはGHQ(連合国軍総司令部)の意向を受けたプロパガンダ作品との指摘がある。

 大本営発表の洗脳から、GHQのWGIP(ウォー・ギルト・インフォメーション・プログラム)の洗脳へと自動スライドしただけで、彼女の人生は、ずっと洗脳状態にあるのではないか。

 「自分自身の頭でよく考えるべきだ」と、彼女は呼びかけていた。まったくその通りである。まずは自分の頭の中にある古臭い常識を最新版にアップデートしたうえで、彼女自身がもう一度、自分の頭で考えてほしい。

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