(ニュースから)【ケント・ギルバート】「集団的自衛権は嫌だ」は“同情すべき勉強不足”による間違った主張

【ニッポンの新常識】「集団的自衛権は嫌だ」は“同情すべき勉強不足”による間違った主張 (1/2ページ) – 政治・社会 – ZAKZAK
http://www.zakzak.co.jp/society/domestic/news/20150711/dms1507111000003-n1.htm

 天才物理学者、アインシュタインが20世紀前半に提唱した理論に、2つの相対性理論がある。おそらく人類の99・99%以上は相対性理論を完全には理解していない。私も大枠しか分からない。

 特殊相対性理論によれば、移動速度が速い場合、時間はゆっくりと進み、そこにある時計は遅れる。一般相対性理論によれば、強い重力を受けた状態下でも時間はゆっくりと進み、やはりそこにある時計は遅れる。

 ただ、私たちが日常生活で「時間の流れる速度が、移動速度や重力次第で変化する」という場面を体験することはない。自らの経験や思考の枠を超えた相対性理論を、物理学と無縁な人は「そんなバカな」「それは違う」などと考える。

 実は、カーナビやスマホで利用されるGPSは、2つの相対性理論のおかげで機能している。

 GPSは4つ以上の人工衛星の軌道や位置、時刻の情報に基づき、観測点の座標を計算する。時刻の正確な情報が必要なので、GPS衛星には高精度な原子時計が積んであるが、超音速で移動する人工衛星内の時刻は、特殊相対性理論の通り、少しずつ遅れる。

 同時に、重力の小さな高度約2万キロメートルでは、一般相対性理論の通り、時計は地上と比べて少しずつ進む。GPS衛星の原子時計では2つの現象が同時に起きている。従って、相対性理論を用いて誤差を計算し、補正が行われている。100万分の1秒の誤差で、距離は300メートルもズレるそうだ。

 さて、本題である。国民の誰もが政治に関心を持ち、自分の意見を発信することは民主主義の基本であるが、単なる感情論や知識不足から生じる間違った主張は、時として有害である。

 いつもGPSを利用しながら、過去の体験などと合わないから「相対性理論は変だ」と主張する人と、今この瞬間も在日米軍に守られながら「集団的自衛権は嫌だ」と叫ぶ人の共通点は、勉強不足だ。ただし、同情すべき部分もある。

 マスコミは「安倍晋三内閣は国民への説明が足りない」というが、日本には法案を国民に詳しく説明する仕組みや習慣が、昔からないのだ。

 テレビ局の協力が得られなかったのか、安倍首相はインターネット放送で安全保障関連法案を説明した。公開2日で再生回数2万回では、テレビの視聴率なら0・1%未満である。国民への説明の機会を、一国のリーダーから奪えるテレビ局は、強大な権力そのものだと再認識した。

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